私にとって設計はビジネスです、芸術活動ではありません、職人芸です。
その昔 偉大な建築家 オスカー・ニーマイヤーが言ったそうです。
「建築家とは15000ドルで 25000ドルの建物を造り 1500ドルを報酬とする職業だ」
つまり、価値を上げる職人です、建築に関して 父から習ったのはそれだけです、本当に。
そんなわけで、建築家諸氏から評価されることに興味がありません。目の肥えた懐の暖かい一般人の方々に気に入って頂ければと思っています。
それが、作品を造り続ける唯一の方法だからです。
例えば、3月竣工の名古屋の住宅では、玄関に大きな庇が付いています。
こういう場合、建築野郎は、庇を取りたがります、シャープに見せたいから。
あるいは、ちゃちな 薄い 庇を付けます。
庇の樋なんか 絶対付けません。
私は、分厚い 大きな庇を付けて、丸見えの樋を付けます。
それが、建物を長持ちさせる 唯一の方法だからです。
そんな「デザイン」ばかり気にしている「建築家」を お客さんたちは見限っていきます。
一流の監督さん 職人さん 業者さんたちと一緒に仕事を続けられるよう、なるべく一般の人たちから支持される建物を造り続けるつもりです。
ビジネスとして設計するということは、お金と正面から向き合うことかもしれません。
工務店さんから バックマージンは頂かず、スタッフを食うや食わずの給料で夜中や休日まで働かせたお金で、外車を乗り回したり、自分だけの来世のために宗教に献金したりはしません。
お金に振り回されず、いいモノを造り続ける それがどれ程難しいかを 間近で見てきました。そこに挑戦しています。