人呼んで「スーパー監督」の 安田建設工業の竹中さんから、「平成の家」の施工図の分厚い束を頂いた・・といっても最近の図面はデータなので重さは無いのだけれど。
実施図からどこが変わっているかを確認すれば、非現実的な図面を描いて現場を混乱させずに済むというもの。
といっても、描いたからといってその通り出来る訳ではない。建設会社さんのセレクトする高い技術の職人さんが居て初めて出来る施工精度なわけだ。
飛騨の匠の伝統からか、岐阜には優れた技術を持つ職人さんが多い。そして職人を育て、技を競わせるだけの度量のある工務店さんも多い・・今のところは。
写真栄えのする「デザイン」を評価出来る一般人は居ても、職人の技術の粋を評価出来る一般人は少ない。評価されないものに金は流れないからいずれは廃れていくのだろう。
職人として残るのは、自分の腕を一般人にわかるように宣伝出来る人だけになるかも。スーパー左官 とか スーパー大工とか。
無名ながら、見事な技術を見せてくれる職人さんたちの冴えを一般の人たちに伝えられるような方法があればいい。プレゼンテーション次第だと思うのだけれど、幻想かもしれない。時代がそれを必要としなくなっているだけかも。
竹中スーパー監督は現場の最中、そのような迷いを微塵も感じさせなかった。
例え誰も評価しなくても、手間をかけて納得いくレベルのものを作り、尋ねるとその工夫を嬉しそうに教えてくれた。
しかしながらこのご時勢、彼だけに 金が天から降ってくるわけじゃない。良い仕事をするには金がかかるし、それは監督がやりくりをして作った金なのだ、自分の懐に入れるためではもちろんなくて、良い仕事をするために。