沖縄の設計事務所/建設会社です
http://www.kougei-arch.jp/index.html
束の間の満足

半年強かけた2世帯住宅の実施図完了。

しばし満足感に浸る・・ 見積もりが出てくるまでは。。

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左官 挾土秀平が懐かしむ飛騨高山

芸術家でもある飛騨高山の左官 挟土秀平のブログを覗いてみたら・・ 怒っていた。

http://blog.syuhei.jp/?eid=157750#sequel

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朗読者 ほか
麻里子に借りた小説を読んだ。

ベルンハルト・シュリンク の 「朗読者」

物語の細かい糸が張り巡らされていて、ヨーロッパの小説だなと感心する。

2度読んだ方が面白いらしいのでもう一度読もう。


お昼にお施主さん(奥さん)からTel。

携帯に直接かかってくる・・ お盆休みと思われたのだろう。

このお施主さんは展開図が読めるので、指摘が具体的で楽しい。

図面がすらすらと読み取れる一般の女性はめずらしいように思う・・・ 偏見か?
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グレン・マーカットは何を言ったか

紹介して頂いたグレン・マーカットのインタヴュを聞きました。

http://10plus1.jp/radio/audio/2009/10/08/murcutt.mp3
 
建築界のノーベル賞受賞者は何を言ったか?

・・・10+1のインタヴュアーは聞きっぱなし気味なのだけれど、面白いインタヴュでした。
 
Q 日本でもっとも気に入られた建築物は何ですか?

A 川崎の古民家です。

(訳注 川崎市立 日本民家園のことを指すと思われる。
http://www.city.kawasaki.jp/88/88minka/home/minka.htm

東京に滞在した3日のうち2日をそこで過ごしました。

本当に素晴らしかった。


中略


Q 日本の若い建築家へのメッセージをお願いします。

A 私は日本の若い建築家に、あなたがたの美しい 民家 を見に行くように勧めます。

美的な観点からではなく、その

・独自性 Authenticity

・起源 Origin

・場所 Places

・文化 Culture

・どのように確立されたか

・構造 Structure

・柔軟性 Flexibility

・火 Fire

・台所の美 Beauty of the Kitchen

・高床の美しさ Separation of Floor to the Ground

を理解するよう勤めることです。

日本人はそれを忘れていると思います。

引用終

最近は古民家を見直す機会が多い。

ちょうど昨晩 今和次郎先生から、稲作農家・畑作農家・漁村の民家の違いを教えて頂いたばかり・・

オーストラリアの気候風土に根ざしたグレン・マーカットの立ち位置にもよるのだろうが、前衛的な日本の現代建築には一切言及せず、古民家と桂離宮を熱く語られたのだった。
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いま ここに しかない
ワルター・ベンヤミンが「写真小史」で指摘した通り、写真(に代表される複製技術)の登場により、芸術のアウラ(「いま・ここ」という一回性)が消滅したとする。
 
「いま・ここ」という一回性を 主なテーマとして追求する建築作品の迫力が写真に写りにくいのは、計算通りなのかもしれない。

他の有名建築家の住宅をモデルにすることがあるのは、写真に写る類の「解読しやすいロジック」を相殺するためだろうか。
 
手品師が腕をまくって言う、はいここには仕掛けはありませんよ、あなたの見たままですよ と。

仕掛けは、別のところにある。
 
どのように住まわれているかを目の当たりにし、住人たちの顔を見れば、建築家の言う 「いま・ここ」が実際に生活していくうえでの豊かさの原点だということがわかる。
 
いつにも・どこにも 属していない建築こそが良い、と僕達は習ってきた。
 
今もその思いは強い。
 
しかしながら、いま・ここに しかない建築があり、一回性ゆえに永遠性を持っている。
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山海塾を観るように

現代舞踊をよく観に行っていた時期があって、ピナ・バウシュ ローザス ニブロール など 年に一度の公演を楽しみにしていた。

そんな中で、クライマックスになると観客の多くが泣いてしまう舞踊団があった。

山海塾

パリを拠点に活動している日本人の舞踊団で、禿頭・半裸に白塗り、耳にだけ朱が入り、一見すると恐いようなコミカルなような。

動きも変わっている。

跳んだり跳ねたりはせず、すり足でするすると動く。

鏡の隠喩の彼方へ かげみ
http://www.youtube.com/watch?v=_Uv600h8JVk&feature=related

激しい動きがなく、音楽もリズミカルではなく、筋もよくわからないままに舞踏が続く。

大抵は少し居眠りをする、みんなする、それほど静かな動き。

舞台は進み、2時間も経つと感極まってくる。

腹の底から感情がほとばしり出てくる。

涙が溢れてくる、周りを見回すと皆泣いている。


週末の建築見学で、そんな体験をした。

建築見学で涙がこみ上げるのは初めてだ。

僕は泣かなかったが、泣いていた人も居たようだ。

建築を介して全てのものが共生し調和している と思える瞬間が幾度かあった。

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見せないことが、洗練
名古屋でごく内輪の住宅見学会に参加させて頂きました。
 
竣工直後から築10年まで、規模も予算も異なる住宅が5棟。
 
住み始めたばかりの初々しい住宅あり、完成後数年を経て、住人と住宅の息がぴったり合っているものあり。
 
 
驚いたのはその住まい方の洗練の度合いで、これ程のものは雑誌でも実物でも見たことがなかった。
 
蜘蛛の巣取りの器具ひとつ、籠、瓶、器・・ 植木鉢の台、自転車 どこで入手したのかわからない遊び心あふれた品々が調和よく並んでいる。
 
見た目の調和だけでなく、使い勝手よく配置され重厚な建築の空間を楽しげなものに和らげていた。

薄明かりのなかに仄見える品々が空間の粒子を際立たせて、光と闇を触覚的なものに変えている。

この建築家は、触覚的な感覚に多くを負わせている。

重量、ざらつき、艶 etc.
 
 
これ程洗練された住宅のイメージをなぜ今まで見たことがなかったのか?
 
お施主さんたちの顔を見て判った。
 
 
このお施主さんたちは、一様に親切で、丁寧だったが、多少当惑気味ではあった。
 
愛してやまない自分の家が、信頼する建築家のゲストから賞賛されるのは嬉しく なくはない。
 
けれど、その洗練は人に見せるためではなく、自分達で楽しむためのものなのだ。
 
本来ならば時間をかけて心を許しあい、洗練を分かち合えると認められた者だけが見ることを許されるはずの光景たち。
 
見せないことが、洗練。
 
 
これから先何度も思い出すだろう感動と、職業柄 プライベートな部分にまで 関心を持つことを禁じえないことへの 恥ずかしさと 自己嫌悪 を感じながらシャッターを切り続けた。
 
 
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今和次郎 の 日本の民家

遅まきながら 民家 が気になってきたので 今和次郎 の 日本の民家 を読むことにする。

杉下さんに会ったら 「まぁ〜だ読んでなかったの?」 とか言われそうだ。

100里の道も一歩から ですか。

そう、古民家とは、かつて普通の日本人が住んでいた 民家 が古くなったものだ。

バルセロナでは、都心部の大半の建物が19世紀に出来た建築。城壁の中の歴史地区などは16世紀の建物とかも普通にあって、人が住んでいる ごく普通に。

この100年で日本の建物が変わったほどに、日本人はそんなに大きく変わっちゃいないと思う。



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吉村順三の建築の取り壊しに反対
名古屋の友人の スキンヘッドの小林君 から愛知県立芸術大学の取り壊し反対の署名の依頼が来ていました。

愛知芸大の設計は吉村順三の銘が刻まれていますが、東京藝大建築科教授会挙げての取り組みでした。天野太郎・山本学治・温品鳳冶・茂木計一郎など、錚々たるメンバーがこぞって計画に参加し、その設計の重要な部分を、当時助教授だった若き奥村昭雄が担当しました。

奥村昭雄が木曾三岳村(当時)にアトリエを設け、後に家具制作に励むようになったのは、実は愛知芸大の設計が切っ掛けでした。奥村は、酷暑の名古屋を避けて設計するため、木曽三岳村のお寺の一室を借り受けて、夥しい枚数の図面を描いたのでした。

http://www.bionet.jp/2010/06/aichigeidai/

署名はこちらから
http://www.shomei.tv/project-1798.html
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古民家修復 工程1/3
朝一で親しい友人と石徹白に向かう。
 
途中 関のパン屋さん ペイザン でブランチ。
 
関にはなぜか美味しいものが多い。 
 
ペイザンは岐阜ではもっともおいしいパン屋さんだそうで、普通ぽい内装と 怖いくらいのパンの完成度。
 
NHKのど自慢のプロの演歌歌手みたい。
 
コブシの効いたパン。
 
感心しながら、お昼に石徹白に到着。
 
 
古民家を改修して住むことにしたオーナー夫婦は、一風変わった人たちだ。
 
夫は、マイクロ水力発電の専門家、コンサルタント 専攻は都市工学でした。
妻は、著述家、服飾家 今回の改修のデザインも担当。
 
農業もやる。今朝は前庭の畑のトウモロコシの世話をしていた。
 
 
家に入って驚いた。
 
工事開始から2週間 全体工程の1/3で、昭和の痕跡(ビニールのゴザ、プリント合板、ビニルクロス)は消えていた。
 
凛とした空間の質。


2週間かけて現れたのは、120年前には既に完成し、今また失われてしまった 建築様式。知恵と技術と洗練の集積だった。

感動すると共に、多くの疑問が湧いた。

・床下にはφ4〜50cmの石がごろごろしている。現場に元々あった石のいくつかの上に柱を立てて束石にしているようだ。地盤改良はしているのだろうか?不同沈下しないのだろうか?冬期の シミ上がり で柱ごと浮いてしまったりしないのだろうか?

・床下はからりと乾いている。白蟻に喰われたり、腐ったりした材がほとんどなかった。この地方の特色なのか?特殊な防蟻処理なのか?部分的に喰われた材もあったからシロアリが居ない訳ではない。

・この家には筋交いが入っていない。しかしながら、二階を人が歩いてもびくともしない。(構造部材はホゾで組まれているため、曲げに抵抗しているのは 貫のめり込み だけだ。一般的には伝統工法は揺れを抑えることが難しいと聞いていたのだが・・?)

・屋根裏に大量の古い材木が備蓄されていた。今回の改修では、仕上げ材にこれらの材木を使うことが出来たため、見事に黒光りする仕上げになった。乾燥しきっているので、クリアランスゼロでも狂いが全く出ない。備蓄はどの古民家でもされていたのだろうか?

・厩部分とそれ以外では、古さも材料のグレードも異なっている。増築?改修?古民家の専門家に見てもらいたいところ。

・この家の材料は新築時に切り出されたものなのか?リサイクルされた部材があるのか?材料自体の耐用年数はどれくらいのものなのか?当時新材で組み立たとしたら、乾燥期間をどの程度取ったのか?新材では避けられない狂いや曲がりはどう調整したのか?

・そして、最大の疑問。
昭和期までは、意匠に洗練が見られるのに、昭和期以降付け加えられたものは家本体と調和しない安易な仕上げ。住人の意識が大きく変わった原因は何か?不連続に思えてならない。

実際の仕事にどの程度役立てられるかはわからないが、ぜひ調べてみたいところ。

どなたか古民家に詳しい方にご教示頂きたいところです。
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